これまでにクルーズ船に乗ったことがあれば、クルーズ船旅行の楽しさについてはすでにご存知でしょう。海上でも乗客に最高の体験をしてもらおうと、クルーズ船は常にアトラクションやエンターテインメントを改善し続けています。
しかし、時に、クルーズ船旅行の広告は誤解を招くこともあります。もちろん、中には予想以上に巨大で豪華な船もあるでしょうが、たいていの場合、閉所恐怖症になりそうなほど船や部屋の規模も小さい上、パッとしないエンターテインメントでガッカリすることも多いのです。今回は、クルーズ船旅行に隠された真実をご紹介しましょう。
さぁ、乗船だ!-私たちの想像するクルーズ船
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ともすると、これが旅行で一番ワクワクする瞬間かもしれません。あなたは旅行のために、電子機器やお気に入りの服、クルーズ船で必要になるかもしれないと思うものをすべてスーツケースに詰め込んで、準備を万端に整えます。
そして船を目にして、想像した通りだと息をのむことでしょう。目の前にあるのは、波止場とエレベーター、階段といったところでしょうか。しかし現実は、そうではありません。
さぁ、乗船だ!-実際のクルーズ船
Imgur Imgur実際には…数ヶ月も心待ちにしていたクルーズ船を横目に、1時間近くも列に並んで待たなければなりません。そう、まるで3歳児の目の前にアイスクリームをぶら下げているかのようです。
乗船手続きには、ものすごく時間がかかります。ディズニーランドでの待ち時間が長すぎるって?それなら、乗船手続きのために列に並んで待ってみましょう。
私たちの想像するスパ
Loic Venance/AFP/Getty Images Loic Venance/AFP/Getty Imagesクルーズ船の最上部にある温水プールほど、テンションが上がるものはありません。ネオン色に光る照明に、立ち上る湯気を想像してみましょう。広い温水プールで足を伸ばして、さぞかしリラックスできることでしょう。
また、デッキにいる他の乗客らが楽しんでいる様子を見ながら、水中エアロビクスを楽しむことだってできるでしょう。しかし、現実はそうではありません。
実際のスパ
Frank Engel / Getty Images Frank Engel / Getty Imagesクルーズ船の温水プールは、第4作目のハリーポッター映画と同じくらい拍子抜けするものです。さっき、足を伸ばしてリラックスできると想像していたのを覚えているでしょうか。現実は、まったくもって異なります。
温水プールは、まるで「他の人に触れることなく、この小さなプールに一体何人入れるか、やってみようゲーム」のようです。もし、クルーズ船の最上部にある温水プールに入るのが夢だから、という理由でクルーズ船旅行に行くのであれば、ガッカリしてしまうかもしれません。
私たちの想像するプール
CG/VCG via Getty Images CG/VCG via Getty Imagesクルーズ船のプールと言えば、たいていの場合、クルーズ船の最大のセールスポイントになっています。温水プールと同じで、クルーズ船のプールにいる自分を思い描くとき、ウォーター・スライダーのついたプライベートビーチのようなプールを想像することでしょう。
クルーズ船の最上部はまるでウォーターパークのようになっていて、列に並ぶこともなく、まるで自分だけのもののような贅沢な時間を過ごせるのです…。いやいや、現実は違います。
実際のプール
Imgur Imgurそう、クルーズ船の乗客みんなが同じことを考えています。クルーズ船のプールは大人気で、常に混み合っている上、たいていの場合、想像しているよりも小さいのです。
クルーズ船の中にはプールが何か所かにあることもあります。そうすることで、1つのプールにみんなが集中しなくて済むからというのが理由です。しかし、決して期待していたほどではないでしょう。プールの浅瀬側で他人の子どもにおんぶして、とせがまれることもあるかもしれません。子どもが好きな人は構わないかもしれませんが…。
私たちの想像するバスルーム
Oscar Gonzalez/NurPhoto via Getty Images Oscar Gonzalez/NurPhoto via Getty Images繰り返しになりますが、これまでにクルーズ船に乗ったことがなければ、一体バスルームがどんなものか想像できないかもしれません。おそらく、これまでに泊まったことのあるホテルのバスルームとは違うのではないかと思いつつも、さて、どんなものを頭に思い浮かべるでしょうか。
カウンターは大理石でできているのでしょうか。クルーズ船の最上部の温水プールの夢を捨てきれないから、やっぱり、ジャグジー用のバスタブ?
実際のバスルーム
TASSTASS via Getty Images TASSTASS via Getty Images残念ながら、実際のバスルームは想像したものとはほど遠いと言えます。大理石のカウンターなど、どこにもありません。第一次世界大戦の戦禍をなんとかまぬがれたに違いないと思わせるような、古びたバスルームしかないのです。
クルーズ船旅行を予定していて、バスルームがどんなものか知りたいのであれば、ユースホステルなどで見たことのあるバスルームを想像するといいでしょう。もちろん、この写真よりはきれいなバスルームもあるでしょうが、期待のしすぎはよくありません。
私たちの想像する海の景色
Imgur Imgur海の景色は、クルーズ船旅行に行く年配層に大人気です。青い海に乗り出せば、イルカの群れが見えるのではないかと心も踊ることでしょう。シーワールドなどの水族館ではなく、野生のイルカが見えるかも!と。
おそらく、海の生き物が集まるエリアを通るクルーズ船旅行は、ホエールウォッチングツアーのようなものだと思っているでしょうか。残念ながら、これも違うのです。
実際の海の景色
Imgur Imgurクルーズ船で見る海の景色について、その現実はと言うと…文字通り、何もない開けた海を延々と見ることになります。クルーズ船の乗客はとかく忘れがちですが、海はかなり広く、毎日何時間か、海の生き物が客のためにアクロバティックなショーをしているわけではないのです。
なので、海、水、海以外には何もないことに慣れておきましょう。悪いニュースで申し訳ないですが…。
私たちの想像するクルーズ船スタッフの生活
Imgur / hardontheNose Imgur / hardontheNoseクルーズ船で生活して給料をもらうなんて、まるで夢のようだと思うでしょうか。クルーズ船旅行で興奮している乗客とやり取りして、さらには航海中に美しい目的地を見ることができるのですから。まるでフライトアテンダントさながらです。
そう、クルーズ船で働くなんて、夢のようだと思われるかもしれませんが、実際にはそれほどいいものではありません。
実際のクルーズ船スタッフの生活
Asif Hassan/AFP/Getty Images Asif Hassan/AFP/Getty Images乗客用のベッドルームがまるで刑務所の独房のようだと思うのであれば、スタッフの部屋を見てみるといいかもしれません。スタッフ用の部屋はさらに小さく、部屋が小さいために二段ベッドなどが置かれています。
勤務時間が長時間である上、船が目的地に着いても、ゆっくりと上陸することもかないません。クルーズ船での勤務というのは、豪華や自由とはまったくかけ離れていると言っても過言ではありません。
私たちの想像する目的地
Twitter / @chaseTHEdonkey Twitter / @chaseTHEdonkeyクルーズ船旅行を申し込むときに忘れてしまいがちですが、美しい土地を訪れることこそ、クルーズ船旅行を予約する1番の目的です。クルーズ船旅行の目的は、1週間食事などすべてが用意されている船上生活を送るためだけではありません。
確かに、船の上で過ごす時間は楽しいでしょう。しかし、あちこちに上陸して見知らぬ街を楽しむことこそ、ワクワクするものなのです。ただ実際には、クルーズ船が行きつく場所の中には、大失敗とも言える場所もあります。
実際の目的地
島に毎日のようにクルーズ船が来港することによって、その島が汚染されていることを多くの人は忘れています。つまり、すべての島の景色が美しいというわけではないのです。
クルーズ船旅行に申し込もうと考えているのであれば、クルーズ船が停泊する島々についての情報を集めておきましょう。旅行会社が用意しているイメージ画像などに頼り過ぎないことも大切です。
私たちの想像するパフォーマンス
Twitter / @earthXplorer Twitter / @earthXplorerクルーズ船での旅行中、船内で行われるコンサートなどのエンターテインメントに驚かされることがあります。1日の終わりに行われるエンターテインメントは、クルーズ船で最も重要なイベントとも言え、クルーズ船旅行会社は有名なパフォーマーを呼ぶのに多くの費用をかけています。
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レディー・ガガやテイラー・スウィフト、ラスカル・フラッツやマドンナなど、世界で最も有名な人たちもクルーズ船でパフォーマンスをしています。しかし、プロのパフォーマンスを見ることができたなら、それはものすごくラッキーなことなのです。
実際のパフォーマンス
Twitter / @eerieplayer Twitter / @eerieplayerもしも、こうした名だたる有名人のパフォーマンスをクルーズ船で見れるなら、もうそれは、一生に一度あるかどうかといった素晴らしい経験になることでしょう。クルーズ船旅行に申し込む前に、一体どんなパフォーマーが登場するのかを確認しておくことも大切なことです。さもなければ、1週間もの間、酷いパフォーマンスを見てガッカリということもありえるのですから…。
この写真のパフォーマーは明らかにテイラー・スウィフトやマドンナではありません。一生懸命さは伝わってきますが…。
私たちの想像する船酔い
Twitter / @helenzoxo Twitter / @helenzoxoクルーズ船やボートに乗ったことがなければ、船酔いとはどんなものなのか、想像もつかないかもしれません。フェリーであれ、クルーズ船であれ、ゴムボートであれ、ヨットであれ、船酔いしてしまう可能性は常にあるのです。
オンラインで予約しているときには、船酔いのことなど考えもせず、クルーズ船は楽しいことばかりだと思っているかもしれませんが、実際に広い海に出て船に酔ってしまったなら、それが楽しいだけではなかったと気づくでしょう。
実際の船酔い
Imgur Imgur実際、船酔いは非常に辛いものです。ひとたびクルーズ船に乗ってしまえば、海の波から逃れられる場所などないのですから。
船酔いをした人は、たいていの場合、トイレに駆け込むようになります。波が高かったがために、乗客の多くが船酔いしてしまって台無しになったクルーズ船旅行も少なくありません。そうなってしまったら、本当に大変です…。
私たちの想像する天気
Reddit / hangred Reddit / hangredクルーズ船旅行中の天気と言えば、誰もが気になっているものの実際には考えたくない重要な問題です。熱帯地方へ向かう旅行のみならず、クルーズ船旅行は必ず天気に左右されるからです。
それにもかかわらず、旅行会社の広告はいつも、パーフェクトな天気を背景にしたクルーズ船のイメージを植え付けています。確かに写真としては晴れた天気の方が魅力的ですが、クルーズ船旅行中に天気にずっと恵まれず、旅行全体が台無しになる可能性もあるのです。
実際の天気
Imgur / redhandedbeaver Imgur / redhandedbeaverそう、母なる自然は、いつもクルーズ船の宣伝写真通りというわけではありません。あなたや家族の特別な旅行のためだけに、天気を調整してくれることなどないのですから。せめてクルーズ船旅行の日には晴れてほしいと願いたいところですが、こればかりはどうすることもできません。
たとえば、熱帯暴風雨に見舞われてしまえば、どんなに温水プールが温かくても意味はありません。なにせ、豪雨の激しさでほんの1.5メートル先も見えなくなってしまうのですから。海の真ん中で嵐にあったことがない?この先もそうだったらいいですね…。
私たちの想像する食事体験
LOIC VENANCE/AFP/Getty Images LOIC VENANCE/AFP/Getty Imagesプロが撮影し、ウェブサイトに載っている美しい料理の写真のせいで、クルーズ船の食事のイメージがゆがめられていることがあります。美味しそうな料理が大量に並び、そこから選べるというのは、クルーズ船旅行の中でも乗客が最も楽しみにしていることでしょう。
写真を見ると、3つ星レストランで出されるような最高級の食事が並んでいます。異国情緒あふれる料理がきれいに盛り付けられたビュッフェテーブルの前で「これ、なんていう名前の料理ですか?」と聞きたくなることでしょう。
実際の食事体験
Imgur / RealityTwinss Imgur / RealityTwinss前述の夢のような食事体験は、ある程度本当のことかもしれませんが、ここで覚えておきたいのは、クルーズ船では1日3回、多くの客に食事を提供しなければならないということです。つまり、多くの客に大量の食事を提供しなければならないため、その品質が落ちてしまうということもあるのです。
ものすごく高額なクルーズ船に乗っている場合を除いて、1週間以上もの間、80%以上の食事はカフェテリアのようなビュッフェになっていることでしょう。さぁ、心の準備をしておきましょう。
私たちの想像する乗客の年齢層
Imgur / EatinetR Imgur / EatinetRクルーズ船旅行に行く理由の中でも、最も魅力的なのは、人との出会いです。自分と年が近い人々に出会い、話をしたり聞いたりするなんて、考えただけでも本当にワクワクします。
もし、あなたが20代か30代であれば、他の乗客は自分より5~6歳年上か年下ではなかろうかと想像することでしょう。悪いニュースをもたらすのは申し訳ないのですが、実際は…。
実際の乗客の年齢層
Imgur Imgurさて、ここで問題なのは、クルーズ船旅行に誰が参加するかなど、乗客の誰にも管理できることではないということです。(より高額で)何かしら特徴のあるクルーズ船に申し込んだのではない限り、おそらく何の共通点もない人々とクルーズ船旅行を過ごすようになるでしょう。
それの何が悪いというわけではありませんが、一生の親友ができるのではないかと夢を抱いているのであれば、その親友は、あなたと年が近い人ではない可能性の方が高いのです。
私たちの想像する船
Andrea Pattaro/AFP/Getty Images Andrea Pattaro/AFP/Getty Imagesこの写真の船に見覚えがありますか?それはおそらく、この船が旅行会社のウェブサイトでよく使われている最も一般的なモデルだからでしょう。その理由は明らかです。この船は大きくてきれいだからに他なりません。
この美しい船を見ると、誰もが明日にでも乗船して美しい南の島へ旅行したいと思うでしょう。しかし実際には、すべてのクルーズ船がこの写真の船のようにきれいで輝かしいものではないのです。
実際の船
Hoberman Collection / Contributor Hoberman Collection / Contributorはい、はい。クルーズ船がこんなに豪華なわけない?ちゃんと現実を分かってるって?(もし、前出の写真のような豪華な客船に乗れると信じているのなら、なんて世間知らずなのでしょう。)私たちは単に、世間によくあるクルーズ船の中にはひどいものもあるという事実を伝えたいだけなのです。
一般的に信じられているものとは違って、世界には息をのむほどに豪華なクルーズ船から、クルーズ船と呼ぶのも残念な程度のクルーズ船まで、本当にピンからキリまであるのです。
私たちの想像する船長
Andrea Pattaro/AFP/Getty Images Andrea Pattaro/AFP/Getty Images海にまつわる映画を見たことがあれば、船長というのはとても重要な役割を担っていることはすでにご存知でしょう。クルーズ船の良し悪しは、船を任されている船長にかかっていると言っても過言ではないほどです。
ある地点AからBへと行こうとしているのに、船長がAからZへ、つまりまったく別の場所へと舵を切ってしまえば、おそらく旅行は散々なものになることでしょう。時には、船長もまた、1人の人間なのだということを覚えておかなければなりません。
実際の船長
Imgur / FellowThrone Imgur / FellowThrone多数の乗客を乗せて大海原へと舵を切る船長は、常に責任感のある、頼れる人だと思いたいところですが、残念ながら、実際にはそうではないこともあります。
この写真のクルーズ船は沈没してしまいましたが、このクルーズ船の船長は、乗客の安全を確保してあげる代わりに、乗客を船に残したまま自分だけ救命ボートに乗って逃げたのです。これはイタリアで実際に起こったことですが、こうしたこともあることを心にとどめておいてください。
人が知らない、クルーズ船スタッフの生活
Yuri SmityukTASS via Getty Images Yuri SmityukTASS via Getty Images宿泊費や食事代を払わずに世界を旅行したいですか?もちろん!と答える人の目には、クルーズ船の仕事は魅力的に映ることでしょう。しかし、クルーズ船での生活には、誰も知らない側面もあります。乗客がプールでくつろいだり、食べ放題のピザを口いっぱいに頬張っている間、乗客のあらゆるニーズにこたえるべく働いている人がいるのです。そう、客室のベッドに飾られているハンドタオルで作られた動物は、どこからともなく現れたわけではありません!
クルーズ船は言うなれば、海に浮かぶホテルです。そして、接客を伴うサービス業は決して容易い仕事ではありません。クルーズ船スタッフに応募する前に、元クルーズ船スタッフが明かす舞台裏の秘密について読んでおきましょう。
常に監視カメラが
Mohssen Assanimoghaddam/picture alliance via Getty Images Mohssen Assanimoghaddam/picture alliance via Getty Images主要なクルーズ船会社でウェイターをしていたギャビンは、『ビッグブラザー(小説1984に登場する支配者)』の世界は実在した、と語っています。つまり、文字通り監視カメラが船内のあちこちに設置されているのです。これは海のど真ん中に巨大な船が浮かんでいることによる、安全上の理由からです。タイタニック号の悲劇が再び繰り返されることはなさそうですが、乗組員らは非常時にはセキュリティカメラの映像を確認しなければなりません。。
「一歩客室を出れば、必ずどこかのカメラに映っていると考えた方がいい」とギャビンは言います。「非常事態があれば、いつでもセキュリティカメラの映像を引っ張り出して見れるのだから。」
二重生活を送るクルーズ船スタッフも
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一年のうちのほとんどを家からだけでなく、世間からも離れて過ごすのだから、何らかの秘密を隠して生活を送るのも比較的簡単です。こうした理由から、多くのクルーズ船スタッフは二重生活を送っていることも少なくありません。家に配偶者がいるのに、船上では違う人とカップルになっている人も珍しくありません。ひとたび海に出てしまえば、結婚式の誓いなど効力を失ってしまうようです。
世間から離れているために、普段の「こうあるべき自分」ではなく、自分らしくありのままに生きるチャンスを得られるのでしょうか。